お菓子作りの基礎

チョコレートのテンパリングを理論で解説!結晶が関係しているのです!

チョコレートを扱う際に必ず必要なのがテンパリング!

聞いたことはあっても

なんでテンパリングってやらないとダメなの?

知らない方は多いのではないでしょうか??

 

だって、しなくていいのならしたくないですよね!

でも、ちゃんとしなくてはいけない理由があるのです!
チョコレートの中の結晶が関係していておもしろい話なんです!

 

しなければならない理由を知っておくと
チョコレートを扱うときに

この作業をするのはこういう理由のためやね!

と理解した上でより楽しくできるでしょう!!

では、さっそくみていきましょう!!

 

テンパリングとは

チョコレートの温度を調節することを言います。

温度調節をすることによって

チョコレートの中の結晶を整えます。

一度溶かしたチョコレートを再び固めても元のような光沢は出ません。

なぜなら、、

チョコレートを溶かすときれいに並んでいた結晶が崩れてしまいます。
そこで再び固める時に本来のきれいな結晶の並び方に戻さなければいけません!!

そこで溶かしたチョコレートの温度調節「テンパリング」が必要なのです。

チョコを溶かして、固める時にきれいな結晶の並び方に
しないとだめなんやね!

テンパリングの目的とは?

チョコレートを溶かして、そのまま冷やし固めたらいいやん!
なんでいちいち温度調節しないといけないの!?

しなくていいのなら、したくないですよね。

しかし!!しないといけないのにはちゃんと理由があるのです!!

 

・きれいに固まりパキッと割れるような良い食感になる

・光沢が出る

・口溶けが良くなる

 

こんなチョコレートが出来たらいいですよね!!

このようなチョコレートにするためには
必ず、温度調整「テンパリング」が必要です。

 

テンパリングを失敗すると

テンパリングをしなかったり、失敗すると、、

 

・固まらなかったり、固まっても光沢が出ない

・表面が白くなって見た目が悪くなる

・組織がもろもろになって食感が悪くなる

 

こんなチョコレートは嫌だよー!!!

 

チョコレートの表面が
うっすら白くなったり、白い模様が出てしまったら
それはブルームです。

 

温度調節を失敗した時に出てくるもので2種類あります。

ファットブルーム

ファット=脂=カカオバターがチョコレートを白く見せてしまっています。

原因は

・テンパリングの温度調節が適切でなかった
・チョコレートが保存中に温かい場所に置かれ溶けてしまい、再び固まった

ざらついた食感となり、口溶けも悪くなります。

シュガーブルーム

シュガー=砂糖が原因で起こります。

冷蔵庫で冷たくなったチョコレートを急に室温に出すことによって
チョコレートの表面に水滴がつきます。

寒い外から暖かい室内に入った時にメガネがくもったりしますよね!
それと同じです!

その水滴にチョコレートの砂糖が溶け出て
そのまま水分が乾いてしまうと砂糖の結晶だけが残って白く見えます。

 

チョコレートのこと

チョコレートの原料はカカオ豆。

この中にチョコレートの味のとなる「カカオマス」

油脂である「カカオバター」が含まれていて

甘くするために砂糖、マイルドにするために乳成分を加えます。

カカオバターとはチョコレートの口溶けを作り出している油脂です。

チョコレートが室温では固いのに、口に含むと一気に溶けるのは
室温では固形、体温近くになると急激に溶けるという植物性油脂には
珍しい性質をカカオバターが持っているからです。

 

チョコレートの結晶

チョコレートの結晶ってなに??

って思うかもしれません。

この結晶の話を聞いたとき

えー!おもしろい!チョコレートってこういう構造なんや!
奥が深いな〜

となったので、ぜひ読んでいただきたいです!!

 

チョコレートに含まれる

カカオバターは6種類の結晶構造I〜VI型を持っています。
I〜IV型は不安定な結晶、V、VI型が安定した結晶です。

表面に光沢があり、口溶けの良いチョコレートを作るのに最適な結晶はV型です。

溶かしたチョコレートのカカオバターを最終的にV型の結晶にします!

板チョコレート・・・安定した結晶 V型

溶かす・・・結晶がバラバラになる=不安定な結晶

固める・・・テンパリングして安定した結晶 V型にする

といった流れです!!

カカオバターの性質上、テンパリング終了時にV型の結晶が少量できているようにして
チョコレートが固まっていくうちに
それを核にして全体が同じようにV型の結晶になっていきます。

型から抜ける理由

テンパリングがうまくいくと

型に入れて固まった時にチョコレートが少し縮むので綺麗に抜けます。

カカオバターの結晶は不安定な結晶と安定したV型もあるという状態です。
固まるときにV型を核にして、不安定な結晶をV型に揃えながら
最終的にV型になって固まります。

V型は不安定な結晶に比べると密度が高いので
固まった時に体積が小さくなりチョコレートが縮むのです!

うまく抜けなければ

テンパリングが失敗している、型が汚れている、型の温度が低かった などの

可能性があります。

まとめ

テンパリングとは

チョコレートの温度を上げたり、下げたり温度調節をすること

つまり

カカオバターの結晶を安定した結晶V型にすること

なのです!!